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PWM制御とは?VFM制御もあわせて解説!

今回の記事では、PWM制御とVFM制御について詳しく解説します。
スイッチング制御にはPWM制御とVFM制御の2種類があります。

当記事では、PWM制御とVFM制御の基本的な事項について解説いたします。
基板の電流の基礎知識を知りたい方に是非読んでいただきたい記事です!

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PWM制御とは?

PWM(Pulse Width Modulation)とは、半導体を使った電力を制御する方式の1つです。オンとオフの繰り返しスイッチングを行い、出力される電力を制御します。

PWM制御の用途

PWM制御は、インバーター回路で広く使用されている技術です。

モーター制御の場合は、インバーター回路でPWM制御のパルス幅(ON時間)の長さを連続で変化させることで、モーター駆動に最適な電圧を供給する事ができます。

LEDの調光ではパルス幅(ON時間)の長さ変調する事(電圧を上げ下げ)でLEDの光の明るさを変化させる事ができます。

スイッチングレギュレータでは出力電圧は入力電圧とデューティー比によって決まります。スイッチングトランジスタはフルオン状態で使うため損失が少なく、変換効率が良いです。

PWM制御のメリット

・負荷電流に見合った トランジスタのON時間をスイッチングさせて電流供給するので出力のリップル電圧は小さく抑えられます。

・負荷変動に合わせて トランジスタのON時間が変化しますので過渡応答は良いです。

・スイッチング周波数が一定のためノイズ対策のためのフィルター設計が容易です。

PWM制御のデメリット

・負荷によらず常時一定のスイッチング周波数で動作しますので、軽負荷時の効率が低下します。

・常時一定のスイッチング周波数で動作するので消費電流はほぼ一定です。

 

VFM制御とは

負荷電流が少ない場合でも効率を低下させない方式としてVFM( Variable Frequency Modulation:可変周波数変調)制御があります。この方式では出力電圧を監視して、出力電圧が規定の電圧を下回った場合にのみスイッチングを行なって出力に電流供給するという制御を行なっています。
一回のスイッチングパルスの Ton時間が一定で負荷電流によってスイッチング周期(パルス周期)が変動します。負荷電流が少ない軽負荷の場合にはパルス間隔(周期)が広がり、負荷電流が多くなるに従いパルス間隔(周期)が狭くなります。電圧低下を検出した場合しかスイッチングしないので、軽負荷の場合には高効率を実現できます。

VFM制御のメリット

・出力電圧が一定レベル以下に低下した場合にのみスイッチング動作しますので、軽負荷時の効率は良いです。

・負荷に応じてスイッチング周波数が変化しますので、特に軽負荷の消費電流を小さくできます。

VFM制御のデメリット

・トランジスタのON時間を一定にしてスイッチング間隔を広げることで効率向上を狙っているため トランジスタのON時間を比較的長く設定しており、リップル電圧が大きくなります。

・トランジスタのON時間が固定の為、過渡応答は良く無いです。

・負荷に応じてスイッチング周波数が変化するためノイズ対策が難しくなります。

 

PWM制御とVFM制御

PWM制御(パルス幅変調制御)
スイッチング素子のON/OFFの切り替えにPWM信号を使用する。
VFM制御(パルス周波数変調制御)
スイッチング素子のON/OFFの切り替えにVFM信号を使用する。

<PWM制御とVFM制御の比較>

PWM制御 VFM制御
効率(重負荷) 良い 悪い
効率(軽負荷) 悪い 良い
消費電流 多い 少ない
リップル電圧 小さい 大きい
過渡応答 良い 悪い
ノイズ対策 簡単 簡単

 

 

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いかがでしたでしょうか。
プリント基板のPWM制御とVFM制御についてご理解頂けましたでしょうか。
アナログ回路・基板 設計製作.comでは、他にも高電圧対策に関するスイッチング電源について解説した記事もございます。こちらも合わせてご確認いただければと存じます。

>>スイッチング電源とは?発生させるノイズとその対策

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