今回のコラムでは、昇圧スイッチング電源の設計のポイントを紹介します。
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昇圧DC/DCスイッチングコンバータの仕組み
昇圧コンバータは出力電圧が入力電圧よりも高くなる回路です。
コイル (インダクタ)、MOSFET、ダイオード、出力コンデンサで構成されています。 MOSFET のON時にコイル にエネルギーを蓄えられていきます。
MOSFET のOFF時にはコイル に蓄えられたエネルギーがダイオードを通して出力されます。
その結果、出力電圧 を入力電圧 よりも高くすることができます。
MOSFET のON時が長いほど入力電流が増加し、コイルに蓄えられるエネルギーが増加し、出力電圧を高くする事ができます。
昇圧DC/DCスイッチングコンバータのノイズ
出力電圧のリップルが大きいことと、出力側へのスパイク電流が発生します。
リップル電圧の低減にはコンデンサの選定により抑えることができます。
スパイク電流は、ダイオードの逆回復時間によって発生します。
スパイクノイズを抑えるためには、できるだけ寄生容量の小さいショットキーダイオードを選ぶ必要があります。
昇圧DC/DCスイッチングコンバータのPCB設計のポイント
1,入力コンデンサの配置位置と接続方法
・容量の小さい方をコイルに近づける。
・ICと同一面に配置する。
・GND間は短く配置、配線する。(GNDループを短くする)
2,フリーホイールダイオードの配置方法
・ICと同一面に配置する。
・ICの出力ピンの近くに配置する。(スパイクノイズを低減)
3,インダクタの配置と配線注意事項
・インダクタ直下のGNDを設けない。(渦電流対策)
・インダクタ直下の配線は避ける。
・インダクタ端子間は近くしない。
・ICの近くに配置する。
・接続パターンは必要以上に太くしない。
4,出力コンデンサの配置
・ICと同一面に配置する。
・容量の小さいものをダイオードに近く配置する。
(高周波のノイズの輻射を抑える)
・入力GNDと出力GNDは近づけない。
・GND間も短く配置、配線する。
5,FB端子配線
・FB抵抗はICの端子の近くに配置する。
・電圧検出線は出力コンデンサの根元から検出する。
・インダクタの近くの配線は避ける。
・検出抵抗のGND側はAGNDへ接続する。場合によっては出力コンデンサの根元から電源と一緒にペアで配線する。
・他の信号や電源からのノイズを受けないように裏面で配線を行う。
6,PGNDとAGNDの接続方法
・PGNDとAGNDは分離して配線し、ICのGNDピンで1点接続する。もしくはコモンGND層に接続する。
・PGNDは分離をしないように同一面で配線する。
・PGNDはコモンGND層に落とす場合は出力コンデンサの付近で落とすようにします。
7,DC/DCコンバータの放熱方法
・サーマルビアを配置する。IC直下と周辺へ配置し、他の層の銅箔へ放熱する。
8,スナバ回路の配置方法
・スナバ回路がある場合、出力端子とGND間のループが短くなるように配置する。
(GNDはICのGND端子に近くなるように配置する。)
・フリーホイールダイオードよりも優先してICに近づける。
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今回の記事では、降圧スイッチング電源の設計のポイントをご紹介させて頂きました。降圧スイッチング電源では、ノイズ対策が不可欠となりますが、当社では、ノイズ対策を徹底した高品質な電源基板を提供させて頂きます。お気軽におといあわせください。
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