今回のコラムでは、スイッチング電源の種類について紹介します。
スイッチング電源については、以下のコラムでも紹介していますので、ぜひご確認ください。
>>スイッチング電源とは?発生させるノイズとその対策
>>降圧スイッチング電源の設計のポイント
>>昇圧スイッチング電源の設計のポイント
フォワード方式
フォワード方式は、トランジスタがオンの時にトランスを通してエネルギーを出力側に直接伝達する方式です。比較的簡単な回路構成で高効率を実現できるため、中小電力の用途で多く使用されます。負荷変動に対する応答性が良く、リップル電圧が低い点もメリットになります。

フライバック方式
フライバック方式は、トランスの一次側にエネルギーを蓄え、トランジスタがオフの時にそのエネルギーを二次側に放出する方式です。フォワード方式同様に比較的簡単な回路構成で絶縁が容易であり、小型電力の用途に適しています。メリットとして、部品点数が少なく、コストが安価になりやすい点があげられます。

プッシュプル方式
プッシュプル方式は、二つのトランジスタが交互にオン・オフすることで、トランスにエネルギーを供給する方式です。この方式は、高効率かつ高出力を実現できるため、大電力の用途で使用されます。メリットとして、出力電圧のリップルが低く、トランスの利用効率が高くなる点があげられます。

ハーフブリッジ方式
ハーフブリッジ方式は、二つのスイッチングデバイスと二つのキャパシタを使用する方式です。部品点数が少なく、コストが安価になることから、中程度の電力変換に適しています。メリットとして、電流経路のスイッチが1つであり大電流用途に向いている点があげられます。

フルブリッジ方式
フルブリッジ方式は、四つのスイッチングデバイスを使用し、ブリッジ回路を形成してトランスにエネルギーを供給する方式です。この方式は、最も高効率かつ高出力を実現できるため、大電力の用途で使用されます。主なメリットとして、高い電力変換効率と、広範な負荷範囲で安定した動作が可能である点があげられます。
