当技術コラムでは、プリント基板のノイズ対策において重要となる「インダクタンスとリアクタンス」について解説します。
また、インダクタンスとリアクタンスの違いもお伝えします!
アナログ回路・基板設計担当者の方は、是非ご覧くださいませ!
インダクタンスとは
一つのコイルに流れる電流が変化して誘導起電力が現れる場合に、この起電力が電流の変化する速さに比例するときの比例定数のことです。電磁誘導の大きさを表し、単位はヘンリーです。誘導起電力をもつ回路素子をさすこともあります。
コイルとインダクタンス
単独のコイルでも電磁誘導現象が起こります。コイルに流れる電流が変化すると、発生する磁束も変化して、コイルに起電力が発生するのです。これを自己誘導といいます。その起電力(V)は以下の式で表され、比例定数Lを自己インダクタンスといいます。通常、インダクタ(コイル)のインダクタンスとは、この自己インダクタンスのことです。
インダクタンスの計算式
インダクタンスの単位:ヘンリー
インダクタンスの単位は H(ヘンリー)を使います。
アメリカの物理学者ジョセフ・ヘンリーの名前の頭文字を取ったものです。
リアクタンスとは
交流回路でのコイル(インダクタンス)や コンデンサ(キャパシタンス)における 電圧と電流の比 をいいます。
コイルとリアクタンス
コイルの インダクタンス によるリアクタンスを 誘導性リアクタンス といいます。
コンデンサとリアクタンス
コンデンサの キャパシタンス によるリアクタンスを 容量性リアクタンス といいます。
コンデンサとリアクタンス
誘導性リアクタンス
容量性リアクタンス
リアクタンスの単位:オーム
誘導性リアクタンスはXLで表し、単位はΩ(オーム)を使います。
容量性リアクタンスはXcで表し、単位はΩ(オーム)を使います。
リアクタンスとインピーダンス
インピーダンスZは抵抗RとリアクタンスXを合成したものです。
リアクタンスXはインピーダンスZから抵抗Rを取り除いたものになります。
誘導性リアクタンスをXL容量リアクタンスをXcとするとリアクタンスXは
X=XL-Xc(Ω)になります。
インダクタンスとリアクタンスの違い
インダクタンスとはコイルが持つ特性の名称で単位はH(ヘンリー)です。
リアクタンスとは交流に対する流れにくさを表すものです。単位はΩ(オーム)です。
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インダクタンスとリアクタンスについてご理解頂けましたでしょうか。
以下のページにて、誘電率やインピーダンスについても解説しております。
こちらもぜひご覧下さい。
>>誘電率とは?誘電損失と共に解説!
>>インピーダンスとは?高周波回路設計に必須なインピーダンス、インピーダンスコントロールについて
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