今回のコラムでは、プリント基板設計におけるGND強化の方法について説明いたします。ノイズの影響を受けづらい基板を設計するためのGND強化の方法につきまして、4つのポイントがあります。
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>>ノイズの低減を実現する、基板内の配線とGNDの層間結合
① 信号線に対するリターン経路を途切れないように確保する
基板上で配線される信号線に信号が伝播する際、信号線に電流が流れますが、その電流がGNDを経由して戻ってくる経路のことをリターン経路と呼びます。
このリターン経路がGND層のスリットや他の配線などによって遮断されていて、信号線に対するリターン経路を迂回せざるを得ない状態になっているとノイズが発生する原因になります。とくに注意を払わなければならないのは、高周波信号や差動インピーダンスが絡む配線であり、配線層を切り替えるためにビアを打つ場所においては必ずGNDのビアもセットで打つ必要があります。
②電源ラインに対するリターン経路において、電源ラインと同等の電流値の電流が流れるように配線幅を確保する
信号線に対してリターン経路を設ける話について上記で触れたかと思いますが、電源ラインに対してもGND層にリターン経路を設ける必要があります。このとき、リターン経路にも電源ラインと同等の電流値が流れるように電源ラインと同じ幅のリターン経路も確保するよう設計を行います。
③高周波信号線に対し、ガードパターンを設けた上でGNDビアを過密に打つ
CLK信号や高周波信号といったノイズを発する信号に対し、GNDパターンでガードをするように配線を並走させることで周囲へのノイズの影響を抑える方法があります。
ただ、ガードパターンを並走させるだけでは並走させた配線がアンテナになってしまう可能性があるため、ガードパターン上にGNDビアを出来る限り打つ必要があります。なお、動作周波数の高い信号線に対してはガードパターン上のGNDビアの個数を増やすことでノイズの影響を抑えることができます。
④基板内のGNDベタの面積を増やし、多めにGNDビアを打つ
基板上の回路のインピーダンスが高くなると基板内のGNDベタの間に電位差ができてしまい、ノイズの発生源となります。各層において信号線をカバーするようにGNDベタを張り、その中に打つGNDビアの密度を増やすことで、基板内のインピーダンスを減らしつつノイズの発生源を抑える狙いがあります。
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