アナログ回路・基板 ノイズ対策ナビ

アナログ回路・基板において、設計通りの動作を安定的に行うためには、適切なノイズ対策が必須となります。昨今、様々な機器に通信用モジュールや高速回路が搭載され、高周波信号を取り扱うケースが増えてきており、ノイズ対策の重要性はさらに高まっています。
ここでは、アナログ回路・基板に関する、ノイズ対策のポイントや事例をご紹介します。

ノイズによるプリント基板への影響

ノイズによるプリント基板への影響
ノイズによるプリント基板への影響

ノイズ対策と言っても色々なケースがありその現象により対策する方法が異なってきます。
アナログ回路、デジタル回路、電源回路、周波数により対策の処理も変わってきます。
低周波の回路はノイズを受ける側(EMS)になります。また、高周波の回路はノイズを出す側(EMI)になり、これが問題となっています。
ここでは、基板単体によるEMI対策設計の基本的な部品配置、配線のやり方と処理についてご紹介致します。
パターン設計で最も大切なことは部品配置です。この部品配置の良し悪しで良い基板か良く無い基板かが決まります。例に挙げるとノイズ対策部品の配置位置が適切でないと効果が薄れてしまいます。
また、ノイズ対策部品を通った後の信号や電源に通す前の信号や電源が近づいたり交差したりすると干渉してしまい対策部品の意味が無くなってしまいます。

ノイズ対策のポイント

回路・基板のノイズ対策において、以下のような点に注意する必要があります。
・基板の層構成
・ノイズ対策部品の位置と順番
・信号線のリターン経路
・電流ループ
・インピーダンス制御
・クロストーク
・信号線のGNDガードとビアの打ち方
・電源共振対策
・ESD対策(静電対策)

ここでは、3つのポイントをお伝えします。

Point1 基板の層構を最適化し、ノイズ対策
Point1
Point1

ノイズ対策においては、基板の層構成を最適化する必要があります。
例えば、信号の干渉を避けるためには、信号層に隣接する層はGND層にするのがベストです。また、電源層についても隣接する層がGND層にするのが適切です。
高速信号は接する面(信号線の下)を経由してリターン電流として戻っていくため、層間の距離も薄くすることにより(信号層とGND層を近づける)コモンモード電流を抑える事ができます。加えて、信号層とGND層を近づけることで放射電界も抑える事ができます。
電源層と信号層の間にGND層を入れ、もしくは層間の距離を離し干渉が起きないようにする事も重要です。電源層とGND層を近づける事によりコンデンサの効果が働きノイズに強い基板を実現できます。

Point2 ノイズ対策部品の位置と順番を最適化
Point2
Point2

ノイズ対策部品の位置と順番について、ノイズ発生源となる場所に適切に配置する事が大切です。
コンデンサの場合、容量の小さい順に配置致します。また、ノイズ除去した配線にノイズが載ってしまうことを避けるため、対策部品の前後の干渉に注意を払って配線をしなければなりません。
ノイズ対策部品としては以下の物がありますが、これらの部品を適切に使用することが重要となります。
【ノイズ対策部品】
コンデンサ、3端子コンデンサ(EMIフィルター)、フィルター、フェライトビーズ、コイル等
対策回路としては、RC回路(スナバ回路)、LC回路(フィルター回路)等

Point3 信号線のリターン経路の最適化でノイズ対策
Point3
Point3

低周波の信号や電源のリターン経路と高周波(高速信号)のリターン経路は性質が異なります。
先ずは低周波の場合は入力側に対して最短経路で戻ろうとします。高周波の場合は隣接ベタ層(信号線の直下)を通って入力側へ戻って行きます。
注意しなければいけないのは高周波の場合です。リターン経路が無くなってしまうとコモンモード電流が基板外側に向かって広がってしまいます。(これが廻りへの回路や信号へ影響を及ぼします。)基板の外に放出されれば、放射電界として他の基板や製品を誤動作させる原因になります。信号線の直下層の処理としては、必ずGNDになるようにし途中でスリット等でリターンの経路が分断しないように注意が必要です。層を跨ぐば場合は切替ビアの近くにGNDビアを配置しリターンの経路が分断しないようにしなければなりません。また、信号ビアの配置による分断も注意が必要です。

ノイズ対策の事例

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