他社にて設計した計測機器用基板が放射電磁界イミュニティ試験を通過しないとのことで、基板設計の最適化を当社に依頼頂きました。
基板を確認したところオペアンプ回路から出力される信号にノイズが乗ってしまい誤動作していることが分かりました。
さらにアートワークの調査を進めていくと、以下の点に問題があることが分かり、改善が必要でした。
①電源ICと制御系ICが基板の表裏で重なり合っており、電源ノイズが信号に乗ってしまう
②GNDを細かく分離している関係で、各々のGNDに属する信号のリターンパスが別のGNDによって寸断されている(GNDと信号がペアで配線されていない)。
③同様にGNDとペアになる電源も各々のGNDと別ルートで配線されている
④信号増幅を行うオペアンプのGNDについて最適な配線がされておらず、ループが大きくなっている
プリント基板のアートワークにおいて、例えばデジタル電源・デジタルGNDとその電源で駆動するデバイスの信号、アナログ電源・アナログGNDとその電源で駆動するデバイスの信号はそれぞれペアで同じエリアで配線されることが基本となります。
信号が別エリアに侵入したり、各GNDが分断されると信号のリターンパスが大きくループすることにより、ノイズに弱い基板設計となってしまいます。