アナログ回路・基板 大電流対策ナビ

大電流基板とは、一般的に数十~数百Aの電流が流れる基板のことです。配電盤や産業機器、電車,HV/EVには、このような大電流基板が使用されています。大電流基板においては、銅箔厚の設定、パターン幅を始めとした設計が適切でないと、回路の発熱、焼き付きなどの不具合に繋がってしまいます。ここでは、大電流対策を行う上で重要とされる、設計のポイントをご紹介します。

大電流によるプリント基板への影響

大電流によるプリント基板への影響
大電流によるプリント基板への影響

大電流基板に限らず、プリント基板は決まった筐体の中に納めるため、その限られた面積の中で基板を作ることが多いのではないでしょうか。
大電流基板になると、使用する搭載部品が物理的に大きいことも多く、搭載部品を考慮して基板面積は確保するものの、アートワーク設計をすると配線幅などの面積から予想以上に基板面積が大きくなり、筐体に収まらないといったケースも珍しくありません。

このように大電流のアートワーク設計では、電流に対し先ず第一に配線幅の問題が出てきます。
一般的に『配線幅1mm=1A』と言われており、この時の銅箔厚は35μとされています。
例えば50Aや80Aなどの電流になりますと、50mmや80mmの配線幅が必要になりますので、
その分基板面積に影響してしまいます。
また、電流が大きくなると発熱の問題も隣り合わせで影響が出てきます。搭載部品自体が発熱するものが多いので、FANやヒートシンクなど筐体全体で考えることも必要ですが、プリント基板側でもできる限りの対策を施すことが大切です。

大電流対策のポイント

アートワークをするにあたり、配線パターンの確保が一つのポイントになります。
基本的にひとつの層(単層)で配線するのがベストですが、限られたスペースとなるとエリア
確保ができない場合もありますので、最大限の電流を流すための対応としていくつかポイントをあげておきます。

Point1 銅箔厚の最適化で大電流対策
Point1
Point1

必要な電流値に対し必要な線幅を確保できない場合、銅箔厚を厚くする方法があります。図のように銅箔厚35μを倍の70μにすると電流も理論上2倍流れるようになります。一般的に70μ以上になると、厚銅基板として扱いコストも上がります。

Point2 複数層にすることで大電流対策
Point2
Point2

必要な電流値に対し必要な線幅を確保できない場合、層数を増やす方法があります。上図のように層数を増やして対応します。
この場合インピーダンスをある程度一定にするため、パターン上にビアを設けるほうが放熱的にも効果的です。

Point3 銅箔厚と層数の変更により大電流対策
Point3
Point3

必要な電流値に対し必要な線幅を確保できない場合、 Point1,2の複合的な対策を行う場合もあります。
層数を増やし(図では4層)銅箔厚を増やすことで、必要な面積で銅箔厚にもよりますが、4倍にも6倍にも大電流を流すことが可能になります。
但し、パターンが層間で重なるので発熱の問題が発生しますので、発熱対策を施すことが重要止まります。

大電流対策の事例

大電流対策に関する関連記事

大電流対策は
アナログ回路・基板 設計製作.comにお任せください!

アナログ回路・基板 設計製作.comを運営するシステムプロダクツは、大電流対策を施した回路・基板設計のノウハウを持ち、皆様に選ばれ続けてきました。
基板の設計において、大電流対策という面でお悩みをお持ちの皆様、お気軽に当社に御相談ください。設計から基板製造・部品実装までの対応も可能です。

お気軽にご相談ください

アナログ回路・基板 設計製作.comを運営するシスプロは、
培ってきた回路・基板設計ノウハウを駆使し、皆様に高品質な基板をご提供します。
アナログ回路・基板に関するお困りごとは、私たちにお任せください。